うず

うず
I
うず
(助動)
〔推量の助動詞「むず」の転。 中世後期以降の語〕
動詞・助動詞の未然形に付く。
(1)意志・決意を表す。 …しよう。

「そちの宗体(シユウテイ)が有難くば弟子になら〈うず〉/狂言・宗論」

(2)話し手の推量や想像を表す。 …だろう。

「悪イ者ニ遠ザカラズンバ, 必ズソノ名モ, ソノ徳モ亡ベ〈ウズ〉/天草本伊曾保」

(3)相手に対する勧誘や婉曲(エンキヨク)な命令を表す。

「いそひでまいらせられ〈うずる〉/狂言・鈍根草」

(4)当然・適当の意を表す。 …のはずだ。 …して当然だ。 …のがよい。

「公方事をこそ本にせ〈うずる〉に食を思うはあさましいぞ/毛詩抄 1」

(5)(連体形を用いて)未来のこと, 仮想されることを婉曲に述べる。

「我コノ難義ヲ遁レサセラレ〈ウズル〉事ヲ教エマラショウズ/天草本伊曾保」

II
うず【倦ず】
〔「うみす」の転である「うんず」の撥音「ん」の無表記〕
嫌になる。 うんざりする。

「男はかぎりなく~・じて, そのままにものも言はず/平中 17」

III
うず【右図】
右の図。

「~を参照せよ」

IV
うず【渦】
(1)水などが中心に向かって巻き込みながら, 激しい勢いで回っている状態。 また, その流れ。 流体力学では流体中の微小部分が自転運動しているとき, その運動が集中して流体中に回転運動がみえる部分。 流速の違いや圧力差などによって生じる。 うずまき。

「~を巻く」

(2){(1)}のような形や模様。
(3)入り乱れた, めまぐるしい動き。 また, 周囲を巻き込みながら一つの方向へ向かう流れ。

「人の~」「興奮の~」「紛争の~に巻き込まれる」

V
うず【烏頭】
(1)トリカブト{(3)}の根。 有毒でアコニチンを含有。 鎮痛剤・麻酔剤などとされる。 附子(ブシ)。
(2)太刀(タチ)の柄頭(ツカガシラ)に, 銀でおしどりの頭を作りつけたもの。
VI
うず【珍】
尊く珍しいこと。 尊厳。 高貴。

「天皇(スメラ)朕(ワレ)~の御手もち/万葉 973」

VII
うず【雲珠】
唐鞍(カラクラ)の鞦(シリガイ)につける宝珠の形をした飾り。
唐鞍
VIII
うず【髻華】
上代, 髪や冠に挿し, 飾りにした草木の花や枝。 また, 冠の飾りとしてつける金属製の花や鳥や豹(ヒヨウ)の尾。 かざし。

「平群の山の熊白檮が葉を~に挿せ/古事記(中)」「悉に金の~を以て頭に着(サ)せり/日本書紀(推古訓)」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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